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「美しきインヴィンシブルズへの憧憬」(『フットボールとラブソング』#22)掲載

2020.10.09

 

サッカー小説連載『フットボールとラブソング』(https://football-novels.com/)に「#22- 美しきインヴィンシブルズへの憧憬」掲載。アーセナルといえば、この頃、という2003-04シーズンを思い出して。

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アーセナルの話になると、いまだに、まず頭の中で二十年近く前のメンバーが顔を揃えます。それ以降にも名選手はたくさん在籍したのに(セスク・ファブレガスやファン・ペルシー、エジル…)、やっぱりツートップはアンリとベルカンプ。そしてその背後でボールを操るピレス。逆サイドを駆け上がるリュングベリ、中央に構えるヴィエラとジウベウト・シウバ。後半途中から入ってくるヴィルトール。記憶の中では、中盤の底にプティも。むちゃくちゃ強かった、という印象よりも、しなやかで流動的で美しいサッカー。ちょっと薄暗いハイバリーの映像の中で、素早いカウンターが左サイドからあっさりと成功する。当時のプレミアのサッカーの泥臭さみたいなものが、このチームだけはなかった。ひと言でいえば、「洗練」されていた。まだ二十歳を過ぎたばかりだった僕は、アーセナルの中継映像を見ながら思ったのです。そのとき流行りはじめていた「デザイン家電」みたいなチームだと。機能がしっかりしていて、しかも見た目が美しい。そしてセンスのようなものを共感できないと、その調和の中に入れない。当時の感覚を思い出しながら、今回、書きました。