2020.11.09
今日から三週間、ひたすら「作業」の仕事に没頭します。原稿を書くだけでなく、生きていくには他にやらなきゃならないという仕事があって(ありがたいことに、今もまだあって)、ひたすら時間を成果で埋めていく、そんなクライアントワークです。
で、この仕事、手は動かすのだけれど頭はあまりイレこまない方がいい。むしろ何かにちょっと気をとられているくらいがちょうどいい。そこで井上由美子脚本、唐沢寿明主演の17年前の「白い巨塔」2クールをぶっ続けで流しながらやろう、と思って検索したら、Amazonプライムではやっていなけど、フジテレビオンデマンド(FOD)でやってる。しかも2週間お試し無料。わお。で、FODに会員登録してみたら、なんと、「今夜、宇宙の片隅で」まで見れるじゃないか!
日本大学芸術学部映画学科脚本コースに入学した年、新宿の高島屋の隣の紀伊國屋書店で買った「今夜、宇宙の片隅で」のシナリオ本を、(カバーがどっかいっちゃったけど)今も大切にしています。もしかしたら人生でいちばん大事な本かもしれない。ビリー・ワイルダーに心酔する三谷幸喜の古き良きアメリカ映画愛が詰まったような、テレビドラマ脚本。西村雅彦、石橋貴明、飯島直子の三人がニューヨークのアパートで共同生活を送るという三角関係の物語です。
で、今日は朝からこれを流しながら、耳で聴きながら、作業。さっき第5話まで終わりました。きっといろいろな大人の諸事情があるのでしょう、不思議なくらいまったく映像ソフト化されなくて、長いことずっと「見たいのに見られない」ドラマだったので嬉しくてしょうがないです。今年亡くなった梅野泰靖が唯一の脇役としていい味を出しています。スタンダードナンバーの「But Not For Me」はこのドラマで知った(後から、ウディ・アレンが「マンハッタン」の名場面で使ったのをここに持ってきたんだなとわかった)。DVDが出たら三万円でも、いや五万円でも買う。そのくらい好きな作品です。脚本のお手本。教科書。バイブル。
「アパートの鍵貸します」「お熱いのがお好き」「あなただけ今晩は」そういうワイルダーの映画が好きな人がいたら、ぜひぜひぜひぜひ、見て欲しいです。
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