MEMBER ONLY MAIL LETTER DEC 2019

MASASHI FUJITA MAIL LETTER / DEC 2019

+++++目次+++++

▼12月20日開催「つばめのブックバー vol.13 今夜の一冊:藤田雅史『ラストメッセージ』」のご案内。
▼このあいだ、舞台美術の仕事をしました。
▼先々月のテレビ出演のちょっとした話。

※このメールは藤田雅史ウェブサイトよりメールレターのご登録をいただいた方にのみお送りしています。イベントのご案内や、ちょっとした日常の話、作品の話などをだらだらと綴ります。(もし受信文字数の制限や文字化けなどで読めない場合は、こちらのURLで閲覧可能です→  http://025stories.com/mail-letter-dec-2019/ )


+++++その1+++++

▼12月20日(金)開催「つばめのブックバー vol.13 今夜の一冊:藤田雅史『ラストメッセージ』」のご案内。

こんにちは、藤田雅史です。なにかと慌ただしい師走、お元気ですか。

僕はここのところ、普段は飲まないお酒を飲む機会が続いて、(気心の知れた友人と飲むお酒は基本的に美味しく楽しいのでつい飲み過ぎてしまい、初対面や馴染みのない人と飲むお酒は緊張をほぐすためについ飲み過ぎてしまい、どちらにしても飲み過ぎてしまうものだから胃腸が混乱して、)体調がすぐれません。

で、そんな忘年会シーズン只中の来週金曜、12月20日に、読書会イベントというものに参加することになりました。新潟市中央区東中通の「little_light_theatre」さんで開催される「つばめの学校」主催の読書会イベント「つばめのブックバー」です。「今夜の一冊」として『ラストメッセージ』を取り上げていただきます。

読書会ってなんだ。何をするんだ。というのが、僕自身もいまいちよくわからず、何を話せばいいんだろう、何を聞かれるんだろうと不安ですが、せっかくの機会なので楽しんでこようと思っています。おそらく、和やかに本の中身について思ったことを語り合ったり、話をしたい人は話をして、聞きたい人は聞いて、みたいな感じなんじゃないかな、と想像しています。

もし、ちょっと興味あるなという方、いらっしゃいましたら、ぜひ会場でお会いできるとうれしいです。読書会って知的レベル高そうで萎縮しそう…、自分話すこと特にないし…と心配される方でも、たぶん全然大丈夫じゃないかな、と思います。なぜなら僕自身がそう思っているから。人見知りなので、はじめての方とお会いするときは、いつもはげしく緊張します。でも参加者のひとりとして、いろんな人が、作品についてどう感じているか、率直な声を聞けるのが楽しみです。ディスられたらやだな…とちょっと後ずさりしつつ。

イベントの後はお酒を飲む会もあるらしいので、こちらもよろしければぜひ。イベントの詳細はこちらです。
https://tsubame-wakamono.com/events/3245/


+++++その2+++++

▼このあいだ、舞台美術の仕事をしました。

「新潟芸術座|HXAT」の「『かもめ』 -四幕の喜劇-」(12月4日〜8日/全6回公演)という公演が、このあいだ新潟のえんとつシアターというところでありまして、なぜか、僕が舞台美術プランを担当しました。「チェーホフの芝居のステージのイメージを作ってくれ、絵を描いてくれ」というのが依頼の内容。連絡を受けたときは本当に「なぜ自分が?」という感じで、さすがにお断りしようと思ったのだけれど、「藤田ぽんならできるよー!」とよくわからないことを言われて、よくわからないまま引き受けて、よくわからないまま絵を描いて提案して、そして本番を観てきました。

ロシア演劇で、上演予定時間は3時間15分。フライヤーにきっちりクレジットされるスタッフのひとりでありながら、「これはやばいやつだ…」と、腰痛と居眠りの心配をしながら会場へ向かいましたが、驚くべきことに、まったく退屈しなかった。3時間15分があっという間に感じられるほどの素晴らしい喜劇に仕上がっていました。演出はロシアの演劇大学でスタニスラフスキー・システムという演技理論を習得された西村洋一先生。同じ日に観に行ったラジオ局のプロデューサーさんも「面白かった、刺激になった」とおっしゃっていましたし、ほとんどの観客が満足して帰られたみたいです。これ、地方の小劇場で、地方のクオリティで、チェーホフやってお客さんを楽しませるって、すごいことです。

舞台美術の方は、プランの通りに仕上がっていました。狭い空間だからできるだけ装飾的な要素をなくして、役者さんが自由に使えるように、演出的にも動きを制約しないようにと考えたイメージが、その通りに収まっていたので、そして今回の「かもめ」の世界として違和感なく合致していたので、舞台美術の担当としてもとても満足でした。西村先生からは「うまくいったと思います」と声をかけていただいたし、アルカージナを演じた近藤聡実さんからも打ち上げでプランを褒めてもらえて、未だに半分はよくわからないまま、いい仕事したんじゃね?的に調子に乗っていい気なものです。

地方の演劇というのは狭く小さな世界ですけど、骨格のしっかりした台本と普遍的なテーマがあれば、演出の仕方や役者さんの取り組み方次第で、自信を持って「演劇に興味のない人たち」をも楽しませる作品をつくることができるんじゃないか、そんな可能性を、今回の舞台で感じました。そう遠くないうちに、また自分の戯曲で公演を打てるといいな。本番を観た後で、そんなことを思いながら帰路につきました。そのときはぜひ、公演にお越しください!

※今回のチェーホフに関連するコラム、issueのエッセイに書いています。
https://booksc-issue.com/archives/836

※あと、もし制作サイドにOKもらえたら、近々、ウェブのNIKKIに今回の舞台プラン載せようと思うので、よかったら見に来てください。


+++++その3+++++

▼先々月のテレビ出演のちょっとした話。

あまりにも恥ずかしいので、そしてどんな失敗をするかわからないので、ほとんど告知をしなかった(家族以外の人間には言わなかった)テレビ出演。しかも生放送。10月の最後の土曜日、BSN「なじラテ」という番組に出てきました。目的はもちろん『ラストメッセージ』の宣伝です。最初は、本を出したばかりの夏に入る前の時期に出演のオファーがあったのですが、詳しく聞くと、宣伝用のボードを持ってカメラの前に立って制限時間内に話すだけという、駅前伝言板的な、ええええ、いくらなんでもそれはちょっと…という内容だったのでお断りして、で、改めて今回のお話をいただきました。なんと今度は、1時間45分、出ずっぱり。しかも現場に行ってからセンター位置だと聞かされ、台本を見たら中継アナウンサーへの呼びかけもあったり、VTRが流れている間もワイプで顔が画面隅に抜かれ続けると聞き、打合せの段階で、脳みそが爆発する感じで意識が飛びました。

テレビに出ている人を画面の外側から見ていると、「なんでもっと気の利いたことを言えないんだよー」とか「コメント雑だなー」とか思うことがありますが、あのね、あの人たちはすごい芸達者なのですよ。僕みたいな素人、ど素人が生放送のスタジオに立つと、気の利いたコメントなんて何ひとつできない。おそらくは慣れの部分も多分にあるとは思うけれど、テレビに日常的に映っている人は頭の回転がものすごく速い。冷静で、賢くて、その場その場のテンションで「適切な言葉」がぺらぺら出てくる。アナウンサーの工藤さん、三石さんの、まさに立て板に水の進行をふたりの横でガチガチになって聞きながら、ひたすら敬服するばかり。

僕はといえばVTR明けに振られたら何を言えばいいのか、とにかくあたり障りのないコメントを必死に考えながら、ワイプに抜かれる度に「うんうん」「へ〜〜」「あー美味しそう」を繰り返すだけの壊れた猫背ロボット。これがもし収録だったら、「まあ、つまんなかったら切ってもらえばいいや」と割り切って多少は言葉を選ばずに話せたかもしれないけれど、なんたって生ですから。もう無事に時間が過ぎることを祈るばかり。本番を終えた翌日、首から背中にかけて、筋肉痛になってました。とりあえず自分はテレビ向きの人間ではない、ということが確定したテレビ出演でした。

週明け、娘をいつものように朝、幼稚園に送り届けたら、「見ましたよぉー!」と園児のお母さんや幼稚園の先生に声をかけられて、もう、恥ずかしくて笑うしかない。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。またときどき(ごくたまに)、こんな感じのメールレターを送らせていただきます。早いですが、メリークリスマス。そしてよいお年を。

藤田雅史 2019年12月11日快晴の冬@新潟市内の事務所にて
http://025stories.com/

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