NIKKI

タミヤセメントの匂いが染みついた詩。

2020.06.29

 

昨夜のワインのせいか、それとも寝不足のせいか、意識がふわふわとした月曜日。

いくつかの仕事を片づけて、幼稚園と学童に子どもの迎えに行って、また事務所でいくつかの仕事を片づけて、「あー、疲れた、ちょっと出てくる」と言い残して気分転換の散歩。

西日は眩しいけど風が気持ちいい午後4時。何か歌を聴きながら歩きたい。でもよく聴いているものじゃなくて、懐かしい感じになれるものがいいな。と、指先が選んだスピッツの『とげまる』の中の「若葉」。

四年前の春、「三人展」用の作品を作るために、アクリルガッシュを大量に買い込んで、事務所でひたすら、面相筆を手にせっせとカンバスに向かっていたときに、永遠のようにリピートで流していたアルバム。その中でいちばん好きだった曲です。

♪思い出せる いろんなこと 花咲き誇る頃に 可愛い話ばかり 転がってた

ここの、小さな歩幅でゆっくり階段を上がっていくような、純朴で初々しい感じのメロディがすごく好きで。

四年前を思い出しながら、ほんとにあのときは可愛い話ばかり転がってたな。ちいさな光のかけらが、晴れた朝の窓辺の埃みたいに、そこかしこで舞っていたな。なんて、歌の世界にどっぷりひたって歩いていたら、

♪泣きたいほど 懐かしいけど ひとまずカギをかけて

とかいう歌詞が不意を突いて聞こえてきたものだから、通りかかった寿司屋の前でうずくまりたくなってしまった。まじか。もうすぐ40歳のおっさんなのに!

事務所に戻って、コードを検索してギターでじゃかじゃかやって、あの展示のとき以来でふと、散文詩みたいなものをいくつか書きました。息子が大阪城のプラモをせっせと作っている横で。タミヤセメントの匂いの染みついた詩を。

ああ、これ、だいぶ弱ってるなあ……笑

さ、こんなことしてないで、たまっている仕事。最近いろいろ、人に迷惑かけてばっかりで、本当にごめんなさい。