NIKKI

大人の睡眠、子どもの睡眠。

2020.10.16

 

最近よく、夜中に目を覚まします。

寝入るのが夜の十時台、早いときでは九時台なので、十二時に寝て朝の六時に起床する人と同じだけ寝れば、明け方の三時とか四時であっても、じゅうぶんに睡眠が足りているということかもしれないし、徐々に秋が深まり気温が下がって、最も冷え込む明け方に、単純に寒さで目を覚ましているだけかもしれません。羽毛布団をかけていても、夏と同じハーフパンツでは、そろそろきついときもあります。あるいは、以前よりも一日の仕事量が軽くなったので、身体がそれほど睡眠量を必要としていないのかもしれません。

子どもの頃、夜中に目を覚ましたとき、けっこうな割合で親がすでに起きている、ということが不思議でした。怖い夢を見て、暗闇に怯えながらこそっと話しかけると、寝ていると思った親が言葉を返してくれる。あれ? 起きてたの? と思う。自分が夜寝入るとき、親はまだ起きていて、自分が朝目覚めると、すでに親は起きていて、そして夜中に目を覚ましても親はなぜか起きている。いったいいつ寝ているんだろう。睡眠、足りているんだろうかこの人はと、幼心に疑問に思ったものです。

今朝、夜が明ける前にふと目を覚まして、眠れないので布団の中でだらだらスマホをいじっていると、隣の部屋(ドアは開けてある)でライトスタンドの明かりが灯りました。小学二年生の息子が目を覚ましたらしい。おはよう、と小さく声をかけると、ん、あれ? 起きてたの? みたいな寝ぼけた声で、おはよう、と返ってきます。

大人になって、親になって、子どもの睡眠の濃さと、大人の睡眠の濃さは違うのだなと感じるようになりました。子どものときの、一度はまったら抜け出せない泥沼のような重く粘ついた睡眠は、よほど睡眠が足りていないときか、よほど疲れているときか。

そんなふうに、そういえば、と、自分が大人になったんだなと感じることが、この頃多いような気がします。四十手前でようやく、大人デビューしている感じがします。