2020.05.08
今日は『フットボールとラブソング』の月一回の更新日。第二金曜日。
サッカーに限らずプロスポーツ全般がストップしているから、本来の「スポーツニュース」というものがほとんど発信されてなくて、ネットで流れてくるのは懐古記事ばかり。その中で見つけるとついクリックしてしまうのが、1993年のJリーグの話題です。ビシャーッと、放射状?スイカ?漫画の迫力シーンの背景画?のような緑の濃淡のあのユニフォームを目にすると、愛が止まりません。生涯、最も好きなチームが、12〜13歳のとき(’93-’94)のヴェルディ川崎でした。
で、最近そういった記事を読んでばかりいたので、書きたくなった、1993年のJリーグ。開幕戦をモチーフに、「5月15日のラモン・ディアス」という、10分未満で読み終わる短い物語を書きました。
その中に、こんな文章を。
“人生、みたいなものを歩き始めると、誰しも、「思うようにうまくいかない自分」という、不甲斐なさのぬかるみに足を取られるときがある。思わず手を伸ばしてつかんでしまう、通りすがりの誰かが必要になるときがある。”
書いたときはまったく気づかなかったけれど、読み直しをしていて、自分が小説の中で書きたいことのひとつは、こういうことなんだよな、と、なんとなく思ったのでした。有限性、不可逆性、偶然性、そういう窮屈さの中でしか生きることのできない人間は、いつも何かを求め、信じ、願い、またそういう行為を繰り返して、結局はいかにそれを愛せるか、なのだろう、と。そのいじらしさがたまらないのだ、と。
あー、’93-‘94のヴェルディユニが欲しくなった!売ってないか探してみようっと。
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