WORKS
Someone, somewhere

Someone, somewhere

イラストレーション+短篇 - 2012

INTRODUCTION

「くらしのデザイン|マテリア」にて開催した個展「025 EXHIBITION Someone, somewhere」にて限定リリースした線画イラストレーションと短篇小説のブックレット。新潟の街を舞台に、8つの物語を線画と小説の両方向から描いた小品集。数年ぶりに故郷に帰ってきた建築家、友情の危うさに怯える女子高生、妻の出産をきっかけにした夫婦関係の変化、昔の恋人の結婚式など、人間の心の小さなねじれやぐらつきを描いたショートストーリー。

 

収録作

帰国
メルティング・スウィート・セブンティーン
ぼくたちの好きだったこと
ケーキセットを一緒に
手をつなぐ
ロック、野球、スイミング
最後のおでかけ
つよい思い

SELF LINER NOTES

ひょんなきっかけから展示をすることになって、じゃあ何か作ろう、と考えて、新潟の街を舞台にした線画と、その絵から着想したショートストーリーを並列に展示する、というものを作りました。で、せっかく展示するなら図録も欲しい、ということで、これはその作品たちを一冊にまとめて会場で販売したものです。絵から物語を考えるのはけっこう楽しい作業です(創作はある程度のバイアスの中でものづくりをするのが実はいちばんやりやすい)。話自体はストーリーというより、どれもスケッチに近いタッチで書いた短いものです。絵の中からワンテーマをつまみ上げることでシンプルに成立しています。昔から小説を読んでくれていた人が、「なんだか結婚してから書くものが変わったね」と言ってくれたので、きっと心境の変化みたいなものがダイレクトに影響しているのでしょう。確かに、あまり物語を作り込んでいない分、自分の心境に近いものが増えたかもしれません。諦念のようなものが漂っているかもしれません。それぞれのタイトル、どれも気に入っています。(2019.7.18)